JSDI 認定NPO法人 日本脊柱変形協会 JSDI 認定NPO法人 日本脊柱変形協会

患者さん、ご家族の方へ 患者さん、ご家族の方へ

教えて先生!専門家に聞くそくわん症 教えて先生!専門家に聞くそくわん症

患者さんからいただいたご質問に、
NPO法人 日本脊柱変形協会(JSDI)所属の
専門医の先生方にお答えいただきました。
質問者:Cさん
(特発性側弯症・60代女性・コブ角60度以上・腰痛、背部痛のため歩行に支障あり)
Q.手術を勧められましたが、家庭の事情で術後の長期入院が難しいため、手術以外で痛みが軽減する方法はないでしょうか?
(運動、装具で効果はありますか?あればお勧めの運動など教えて下さい)
A.
手術以外の治療は基本的に対症療法、姑息治療となります。つまり継続した効果が期待しにくいということです。ただし側弯による神経症状(下肢の痛みやしびれなど)あるいは猫背変形に起因する胃食道逆流症(頑固な胸焼けなど)がなければ、手術以外の治療で経過観察することは悪いことではありません。
疼痛部分の注射や物理療法(温熱や牽引)を通院で行う方法と装具療法に大別されます。装具療法は側弯の部位や大きさによりますが、その効果は試してみないと分かりません。
当院では仰臥位(あおむけに寝た状態)で少しでも変形を軽くした状態で体幹ギプスを作成し、これを付けた際の患者さんの症状の改善をもって希望があれば脱着可能なコルセットを作成します。
このコルセットはいわゆるサポーターと違って、骨格を支えるためにプラスチックの甲冑のようなものになります。費用対効果を考慮して装着で効果が得られる人にのみ希望で作成します。デメリットはやはり大ぶりで邪魔になる、夏は暑い、体の外から支えるため床ずれに注意が必要です。
最後に、運動に関しては医学的に根拠を持った特別な運動はありません。ただし側弯を気にするあまり、運動不足からサルコペニア(加齢に伴う筋肉量の減少)に陥るといった悪循環はよくありません。側弯があっても継続可能な運動があれば、趣味習慣の中にできるだけ取り入れていただくようにお願いしています。
どの運動を何回行えばよいのですかと聞かれますが、続けることのできる好きな運動をしていただくようご説明しています。その際に有酸素運動(ウォーキングや水泳といった心肺に対する運動)と無酸素運動(スクワットや1分以内の筋量を増やす運動)の両方を意識して取り入れていただきます。仮にそれで腰背部痛が強くなれば運動全般を悪者にすることなく、他の運動を試していただきます。

お答えいただいたのは…

鈴木 哲平 先生

国立病院機構 神戸医療センター(兵庫県)

整形外科

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質問者:Dさん
(先天性側弯症、高校2年女子、固定術済)
Q. 先天性の側弯症が特定疾患に認められたそうですが
どのような人や、どのような治療が対象になるのでしょうか?
A.
この度、肋骨異常を伴う先天性側弯症が国の指定難病となりました。対象となる患者さんは、脊椎の先天的な異常に、肋骨にも先天的な異常(肋骨同士がくっついている、数が少ない)が加わることで、背椎の変形と胸郭の著しい変形が合併する10歳以下の方です。
このような患者さんは、新生児期、乳幼児期から著しい脊柱・胸郭変形を来すことがあり、放置すると、体の変形だけでなく、胸郭や肺の成長が妨げられ、肺機能低下が進行し、将来的に生活の質の低下が心配されます。このため両方に対して治療が必要となります。
対象となる治療法は、ベプター(VEPTR :Vertical Expandable Prosthesis Titanium Rib)というインプラントを用いた胸郭拡大と脊柱変形を同時に矯正する手術となります。この治療は5歳前後から8歳くらいまでに開始される事が多いため、患者さんの成長に合わせインプラントの延長や入換が必要となり、6か月毎に入院・手術を行います。最終的には思春期頃(12歳前後)に脊椎固定術を行います。
ただし、乳幼児期のごく早い時期から著しい変形を認める患者さんでは、手術までの時間を稼ぐため、ギプスや装具による治療を行うこともありますが、これらに関してはサポートされないとのことです。
どのような人・治療が対象となるかは、一概に申し上げることは難しく、治療を受ける患者さんの状態により、対象となるか・ならないかが判断基準となります。

現在ベプターは、限られた施設でのみ行うことができる治療です。対象となる患者さんは下記の施設でご相談頂くことをお薦めいたします。
・慶應義塾大学附属病院 整形外科  (東京都 新宿区)
・神戸医療センター 整形外科  (兵庫県 神戸市)
・聖隷佐倉市民病院 整形外科   (千葉県 佐倉市)
・名城病院 整形外科        (愛知県 名古屋市)
・福岡市立こども病院 整形脊椎外科 (福岡県 福岡市)

お答えいただいたのは…

山口 徹先生

福岡市立病院機構
福岡市立こども病院(福岡県)

整形外科

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